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会長ルーム・活動録

折木同窓会長の海外支部訪問について

2016.03.01

 今回の海外支部訪問は、2016年1月31日(日)から2月6日(土)の間、インドネシア共和国、タイ王国、シンガポール共和国の3か国で実施されました。
 インドネシア共和国訪問は、タイ王国、シンガポール共和国に続く防大同窓会インドネシア支部の設立に伴うもので、本訪問に関連して、国防次官及び陸軍人事部長を表敬訪問するとともに、同国の最高指導者を教育するレムハンナスにおいて基調講演を実施することで、両国の関係強化に寄与するものとなりました。なお、本訪問においては、在インドネシア防衛駐在官小宮1等海佐(防大41期)が案内・随行しました。
 インドネシア支部設立記念式典は、2月1日(月)1700から在インドネシア日本国大使館講堂において、同窓会長、防衛駐在官、インドネシア同窓生12名が参加し、藤井総務部長の司会により、式は厳粛に開始されました。当初、同窓会長から、「本日、タイ、シンガポールに続き、インドネシア支部が設立されたことは、同窓会本部として非常に嬉しく思っています。私の時代には留学生はいませんでしたが、現在の防大ではアジアから多くの留学生が学び、042.JPGインドネシア共和国からは卒業生27名、在校生12名が小原台で学んでいます。今後、益々国際化が進むことを考えると防大同窓会を通して、お互いの同窓生がインドネシアと日本の関係強化に寄与する意義は極めて重要であり、「切磋琢磨」、絆を深くして発展することを祈念します。」との挨拶があり、初代支部長アルラディクス・ディジャンセナ氏(防大47期、研究科52期)に委嘱状と盾が手渡されました。インドネシア初代支部長からは「このような機会を与えられたことへの感謝と防衛大学校の卒業生として、日本とインドネシア共和国の架け橋となって、自分の力を信じ、地に足をつけ一歩一歩着実に前進する」との決意の言葉が述べられ、記念すべき発会の日となりました。
News&Topics〜期生会:初代支部長の挨拶参照
 その後の懇親会では、同窓会長を囲んで同窓生が日本語で楽しく懇談することで、「同窓生の疑問や防大同窓会の今後の活動等」について、認識を深めることができました。また、この場において、永年に渡りインドネシアの同窓生の面倒を見て来たデデ・ユリアーディ氏(研究科32期)に、会長より感謝の言葉と同窓会の半被が贈呈されました。

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 今回の訪問に関連して、国防次官の表敬(2月1日(月)午前)においては、急遽、大統領の要務が入り、国防大学学長ミリオ中将が対応されました。懇談では、030.JPG先方より折木会長のインドネシア共和国への貢献に対する感謝の言葉と日本との関係強化、特に人事交流等の発展に尽力してほしいとの非公式の発言がありました。
 陸軍司令部人事部長スサント少将の訪問(2月2日(火)午前)では、前日会った陸軍の同窓生が陪席する中、なごやかな雰囲気で懇談が行われました。
 この懇談の中で、人事部長からは、「現在の人事交流は防大の本科学生及び研究科学生のレベルであり、今後は幹部中級等の関係へとレベルを上げていきたい」との非公式の意向がありました。また、インドネシア同窓生から折木会長に対して、「今後の同窓会活動」に関する質問があり、それに対して、会長は「非公式の同窓会活動は、先ず防大卒業生としての誇りを持って、皆が「切磋琢磨」して仕事に専念すること、そして、将来的には同窓会本部とインドネシア支部、アジアの支部と支部の関係が、人と人の交流を通して発展するような礎を構築していきたい」との説明がなされると、同窓生の顔も引き締まり、極めて印象的な懇談でした。後で聞いた話ですが、この表敬に同席するために、ハリマンタン島の部隊から2時間のフライトで駆け付けた同窓生もいました。
 レムハンナス訪問(2月1日(月)午前)はブディ学長の強い意向に基づくもので、当初の懇談の中でも、日本の防衛研究所のカウンターパートとして、今後、自衛隊から上級幹部を派遣してほしいとの発言がありました。続いて、約60名が聴講する講堂で、「東アジア及びASEAN地域の諸問題について」の基調講演の後、約1時間に渡り教官や学生の質問に回答するものでした。質問としては、日米関係、中国に関する日本の認識、日本の安全保障法制、防衛装備品の輸出等に関するもので、彼らの関心事項を理解し説明することで、聴講者の認識を深め、関係強化に繋がるものでした。

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 2月2日(火)、インドネシア共和国からタイ王国へ移動、同日夜にはタナラット・ウボン前支部長と夕食を共にし、タイ支部長として同支部をまとめてこられた功績に対する労をねぎらうことができました。
 2月3日(水)、在タイ防衛駐在官 木ノ下憲一郎1等陸佐(防大40期)の案内・随行により、国軍副司令官 プラサン・スッカセート海軍大将、空軍士官学校長 チャットチャイ・ブンヤヌラック空軍大将、新支部長である空軍参謀長 ジョム・ルンサワン空軍大将(防大26期)、海軍士官学校長 ルーチャイ・ルッデット海軍大将を相次いで表敬しました。いずれも防大卒業生が通訳を務め、和やかな雰囲気での意見交換でした。
意見交換の主な内容は次のとおり。
☆ 国軍副司令官 プラサン海軍大将:
・ 日本・タイ関係の緊密化(王室レベルから国政レベルまで)は重要
・ コブラゴールド等の共同訓練を含め自衛隊諸活動にタイの協力は今後とも必要
☆空軍士官学校長 チャットチャイ空軍大将:
・ 空軍士官学校の概要説明(ビデオ)
・ 現行の予備士官学校3年・士官学校4年システム(3・4システム)を近いうちに(2・5システム)へ変更予定(最終学年に職種学問を集約)
☆空軍参謀長 ジョム空軍大将:
・「良い武器を保有すれば、平和になる。」を強調しており、日本からの装備品導入に期待
・ 韓国製練習機(8機)の導入を決定(低価格を追求)
☆海軍士官学校長 ルーチャイ海軍大将:
・ 日・タイの共同訓練の推進を要望
・ 地雷処理・潜水艦技術の教育提供を期待
 在タイ日本国佐渡島志郎特命全権大使主催の防大同窓生新年会は、1900から大使公邸において行われ、同窓生約90名が参加しました。新年会は木ノ下防衛駐在官が司会を務め、佐渡島大使挨拶・乾杯に引き続く、タナラット前支部長への防大校長からの感謝状贈呈、ジョム新支部長への支部長委嘱状授与、同窓会長からの祝辞・記念品贈呈を行い、最後は参加者全員による写真撮影と声高らかに防大校歌を斉唱してお開きとなりました。

051.png299.JPG052.png タイから防大への受入総数は193名、卒業生は既に166名であり、既に海軍大将2名、空軍大将2名を含め十数名の将官を輩出しています。現在は25名(日本語教育中を含め)が在校中です。

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 2月4日(木)、タイ王国からシンガポール共和国へ移動、なお、本年は日本・シンガポールが外交関係を樹立して50周年目の節目の年であります。397.JPG

 1530から在シンガポール防衛駐在官 和田和起1等陸佐(甲南大卒、96幹候)の案内・随行により、在シンガポール日本国竹内春久特命全権大使を表敬、自衛隊に対する支援への御礼を申し述べるとともに、防大へのシンガポールからの留学状況等の説明を行った。この際、竹内大使からは大使館としても防大への留学生が増加するよう働きかけをする、との力強い言葉を頂いた。
 在シンガポール日本国大使館主催の防大同窓生新年会は、1830から市内のレストランにおいて行われ、同窓生等24名が参加した。新年会は和田防衛駐在官が司会を務め、折木会長挨拶・乾杯に引き続く、スティーブン・タン・ブンヘン新支部長(防大39期)への支部長委嘱状授与、記念品贈呈を行い、最後は参加者全員による写真撮影によりお開きとなりました。DSC_0049.JPG
 シンガポールから防大への受入総数は39名、卒業生は既に37名、現在は1名が在校中です。
 2月5日(金)、新支部長スティーブン海軍大佐の職場であるSingapore Maritime Crisis Center(SMCC)を訪問した。SMCCは2011年(平成23年)に設立、シンガポールが直面する海上安全全般、海賊や海難事象、不法入国など広範囲に渡って対応するため、縦割りの省庁にとらわれず、海軍や警察、港湾局、移民局、入国管理局などで構成されている。スティーブン支部長はSMCCの隷下部隊であるNational Maritime Sense-making Grope(情報収集・管理・分析部門担当)の指揮官であり、平成27年12月から現職に就いておられます。

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 2月6日(土)、シンガポール共和国を離れ、帰国した。3ヶ国を6日間でめぐるという強行予定であったが、各支部長と直に会い、意見交換することにより、防大同窓生との関係を強化するという主目的は十分に達成できたものと考える。
 また、各国の防大同窓生が現役及びOBを問わず、現地において大いに活躍している姿を実際に垣間見る機会を得たことは大きな成果と言える。今後の同窓会長の海外支部訪問に関しては海外支部設立、或いは支部長交代時等に日程を合わせる方向で継続検討する予定です。(随行者藤井総務部長&佐々木経理部長記)