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会長ルーム・活動録

防衛大学校同窓会長からのご挨拶(2020年度)

2020.06.05

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 防衛大学校同窓会会員の皆様におかれましては、現職そしてOBそれぞれ各分野・各方面でご活躍の事と拝察申し上げます。私は昨年の4月から同窓会会長を拝命しております岩﨑です(第19期、航空要員、航空工学、グライダー部、岩手県出身)。今年度も昨年度同様に私以下同窓会役員一同、同窓会の更なる充実・発展の為に邁進する所存です。宜しくお願い申し上げます。
 はじめに、同窓会会員の皆様方にお詫び申し上げます。今年3月7日に予定していた同窓会代議員会ですが、昨今の新型コロナウイルス感染症対策の政府基本指針に基づき中止させて頂きました。多くの代議員や地域支部長等の皆様には多大なご迷惑をおかけいたしました。また同時に、この私どもの判断に対し皆様からご理解を頂きましたことに感謝申し上げます。

 さて、令和2年度事業の開始に当たり、同窓会代議員会で私が申し上げたかった事等を皆様方にお伝えしたいと思います。
 最初に、防衛大学校の近況についてです。わが母校である防衛大学校は、これまで多くの方々のご努力により素晴らしい大学校となってきております。特に、國分良成学校長をお迎えし、「新たな高みプロジェクト」を目標に掲げ各種活動を本格化させ、目覚ましい発展を遂げております。これまでの学生の自主自律の精神をより進化させるとともに、国際交流センター設立、グローバル・セキュリティ・センター立ち上げ、先端学術推進機構新設等々、時代の変化に即応した組織の改編を進めてきており、正に将来の「General」として申し分ない学生が育ってきております。最近では、各国の士官学校等に留学する防衛大学校学生の数は年間60名を越え、国際的視野を広げつつ各国との防衛交流や信頼性向上にも貢献してきております。この中で派遣された防衛大学校学生の多くは極めて優秀な成績を残しております。特に、一昨年アメリカ合衆国海軍兵学校(The US Naval Academy)に派遣された学生は、期間内で最優秀学生になるなど、世界に誇れる防衛大学校となってきております。同時に、外国からの防衛大学校への留学生数も年々多くなり、現時点(令和2年4月1日現在)での防衛大学校で学んでいる留学生数は100名を越えるほどになっています。これは防衛大学校が各国からも高い評価を受けている証左と言えるでしょう。これまでに既に444名(令2年4月1日現在)の留学生が卒業しており、今後この数は急激に増加していくものと思います。

 昨年11月、防衛大学校を卒業し各国の軍で活躍している約50名の卒業留学生を再度日本に招待する事業が行われました。再来日された留学生達は2名の少将を筆頭に、昨年卒業した中尉までのメンバーで、来日当日夕方、総理官邸での安倍総理主催レセプションに招かれました。安倍総理から「この様な企画は大変素晴らしい事であり、防衛大学校と各国留学生との交流を更に深化させるとともに、我が国と留学生の国々とのネットワークを形成する上で重要な試みである。」とのご趣旨のお言葉を頂きました。翌日は母校を訪問し、最近の防衛大学校の概要説明や午後の課業行進や施設の視察等々のスケジュールの後、夜に行われた國分学校長主催レセプションでは各留学生の同期生代表者等も招待され、思い出話に花を咲かせておりました。参加した留学生からは「是非、今後も定例的に行って頂きたい。」とのご意見も頂きました。この様な企画は、予算の関係上、毎年の開催は困難と思いますが、同窓会としても今後もこの企画を支援していきたいと考えておりますし、これを機会に同窓会海外支部との関係強化も図っていきたいと考えております。

 次に、同窓会の近況について申し上げます。同窓会は第1期生を中心に昭和36年(1961年)1月21日に設立され、今年で60年目を迎えております。これまでの諸先輩、各期生会役員、地域支部等々の方々のご努力により大変素晴らしい会に育ってきております。防衛大学校卒業生のうち既に自衛隊を退官されたOB数が現役の数を越え、同窓会会員総数は2万5千人を超える大所帯になってきております。この様な中、昨年の代議員会では、第1期生会会長の深山様から、「第1期生会として全国的、組織的活動を終了する。」旨のご発言があり、第1期生会と防大同窓会との組織的な関わりを終了いたしております。同窓会も一つの節目を迎えていることを実感している次第です。同窓会に新たに加入する期生会がある一方で、第1期生会のように同期生会としての一部の活動は継続するものの同窓会との関わりを終了するという期生会があり、ある意味において同窓会組織として一巡した状態、即ち定常状態になったとも考えられる訳です。その意味で今後、我々はこの同窓会を如何に成熟させていくか、より充実させていくかの大きな転換期に直面していると考えております。

 この様な観点から、本年の代議員会では同窓会の会則の見直しを提案したところです。会則変更の第一点目は、これまで「本会は、会員相互の親睦、母校の発展及び云々」としていた部分を「本会は、母校の充実・発展、会員相互の親睦・交流及び云々」とし、会の趣旨を母校の充実・発展を優先すべきとの提案です。また、第二点目は、かねてからご提案がありました「寄付に関する手続き」の件です。これまでは「収入の一部としての寄付」規定はありましたが、「手続き規定」がありませんでしたので、この手続きを明確にした会則変更です。この二つの会則改正は今後の同窓会の在り方、充実すべき方向を示すものと考えております。その他の審議事項は、例年どおりの「平成30年度同窓会事業報告・同会計決算報告・会計監査報告」と「令和2年度同窓会事業計画・同事業予算」です。

 今年は残念ながら一堂に会し審議することが出来ませんでしたが、我々同窓会役員一同、今年度も母校の更なる充実・発展の為、そして同窓会の更なる発展の為、尽力する所存です。何卒、会員の方々の同窓会活動に対しますご理解・ご支援をお願い申し上げますとともに、我々同窓会役員に対します叱咤激励を賜りますよう重ねてお願い申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。

防衛大学校同窓会長 岩﨑 茂