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留学生協力家庭になって(from12期石川氏)

2014.02.12

留学生協力家庭になって

12期(陸)石川 澄男

 私が防衛大学校長から留学生協力家庭として委嘱を受けてから約4年になります。
 ある日12期生ホームページを開いたところ、東ティモール留学生協力家庭募集の情報が目に入りました。
 2002年、東ティモールが独立し、日本のPKO派遣が始まった時期に私は自衛隊を退職しました。また、防衛省出身の北原巌前全権特命大使が同国で大使として勤務中、防衛大学校への留学制度が確立されたと聞き、縁を感じ、さっそく防衛大学校に問い合わせ併せて家族の意向を確認して応募しました。
 私達は、東ティモールから防衛大学校へ初めて留学した第1期生4名のうち、男子学生2名の担当となりました。留学生との顔合わせ、協力家庭連絡会議参加から始まり、防衛大学校の行事・留学生用プログラムに沿っての交流が始まりました。
 最初気になったことは言葉の壁でした。留学生は、一般的に日本語研修課程と本科4年の5年間を防衛大学校で過ごします。毎年継続して留学生を送っている国では、事前に日本語を予習して入校するそうですが、彼等は北原前大使から挨拶程度の日本語教育を受けただけで、日本語・英語ともに余り得意でないようでした。私達は、我が家での生活体験を通じて日本語と日本文化に親しめるよう近くの江の島・鎌倉の観光地巡りや冬を知らない彼等と冬物の買い物に出かける等、家族の一員としてごく普通の生活からスタートしました。心配した語学は、母国でバイリンガルの環境にあったためか、日本語に慣れるのが早く、彼等の努力に感心したものでした。
 日本語研修課程中、スピーチ発表会が2回あります。自分でテーマを選び日本語で発表します。彼等の問題意識、文化の違い等話し合いながら一緒に発表原稿作りをしました。このことは、より早くお互いを理解し、心を通じ合う良い機会となりました。
 彼等は、国の代表としての意識があり、日本学生との交流を深めながら、同国の後輩学生の指導に当たる等熱心に留学生活を送っています。本科学生となり、専攻が決まってからは学業等が佳境に入り、自宅訪問の機会が少なくなりました。今は、春・夏・冬の長期休暇に、彼等が訪れるのを楽しみにしています。私達は、彼等の若さ溢れるエネルギーを感じながら絆を深め、微力ながら母校のお役に立てればとの喜びを感じています。
 平成25年度の留学生在籍数は9カ国103名であり、協力家庭数は43家族です。協力家庭の大多数の方は一般の方で、我々卒業生は私を含め4家族です。留学生は年々増加する傾向にあって、防衛大学校は協力家庭の募集に大変なご努力をされています。
 私達は、協力家庭の会や東ティモールに対するボランティア団体との交流で多くの財産を戴きました。1年後卒業する彼等が、逞しく成長し無事巣立つことを願っています。

(2010年夏 日本語研修過程学生 江ノ島神社茅ノ輪くぐり 甚平を着て・・・)

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(2014年正月 自宅前にて 家族と!!)

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