会長挨拶

 防衛大学校艇友会会長の山中です。

防衛大学校の4年間は、ボート部に所属し、自分なりに精一杯取組んだ記憶があります。しかし、1982年3月防衛大学校卒業後、艇友会会員となった自衛隊現役時代は、ボートとの距離が遠くなり、戸田に足を運ぶことは少なく、年会費を納める程度でした。

2012年中部方面総監部(伊丹)勤務の時、舞鶴地方総監部勤務の同期(防大ボート部OB)の誘いで市民レガッタに出場し、防衛大学校卒業以来実に30年ぶりにオールを握りました。水面に浮いた艇の感覚、オールを漕ぐ感覚、艇が水を切る音などすべてが新鮮でした。頭では忘れていたボートの感覚でしたが、体はしっかり覚えており、そのことにちょっと感激しました。同じ時期に、神戸レガッタにも参加するなど、楽しむボートがあることを実感した次第です。

皆さんご承知のとおり、ボートというスポーツは、「外見上極めてシンプルな漕ぐ運動ですが、漕ぎ方、力の出し方、リズム等に一様の動きが求められ、一人として力を抜くことが許されず、体力・気力・精神力がものをいうスポーツ」です。槙初代校長は、「漕艇は、スポーツの持つ本領を最も純正な形で物語っている。」と評されています。

そのようなスポーツに真正面から取組んだ学生時代の経験は、ボートに対する思いの程度とは無関係に、その後の人生を送る上での無形の財産となって、皆等しく無意識の領域に培われているのではないでしょうか。

防衛大学校ボート部現役の皆さんには、ボート部の練習環境は決して恵まれているとは言えませんが、競技の成績以上に、日々の鍛錬が、(幹部自衛官を目指す)人としての修養の機会となっていることを忘れず、励んで欲しいと思います。

艇友会会員の皆様には、艇友会第一の目的が「防大ボート部の発展に寄与すること」であることに思いを致し、引き続きのご支援、ご協力の程、よろしくお願い致します。

防衛大学校艇友会会長 山中 洋二(26期、陸)

この記事について

このページは、艇友会サイト管理者が2021年6月 1日 20:37に書いた記事です。

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