期生会、校友会OB

第19期生ホーム・カンミング・デー(HCD)

2018.04.02

 19期生ホーム・カミング・デー(以下、HCDという。)が、平成30年3月17、18日の両日、平成29年度卒業式典(本科第62期生等)への招待という形で実施され、前日の3月17日(土)、メルキュールホテル横須賀で幕を開けました。
 当日は、15時頃から19期生及びご家族が続々と参集し、昔話に花を咲かせるなど、和気あいあいとした雰囲気の中で、まず、期生会総会から始まりました。総会では期生会長の交代(酒井健氏から岩崎茂氏へ)をはじめとするいくつかの議案が満場一致で採択されました。
 懇親会は、19期生187名、ご家族84名、総勢271名が集う中、16時30分に國分良成学校長、渡邉啓二副校長(教育担当:19期生として参加)、上尾秀樹幹事、杉本正彦同窓会長等のご来賓が入場され、司会の石橋啓志氏の開会の辞で始まりました。最初に同期生の22名の物故者に対し、「国の鎮め」が流れる中、黙祷が行われ、その後、選出されたばかりの期生会長岩崎茂氏から、久々の再会を祝し、本会の盛会を祈念する挨拶がありました。
 次に、来賓を代表して國分学校長から、19期生HCD開催への祝意等のお言葉があり、「HCDは中間地点でありHCD2にも元気で参加してほしい。今日は私服での特外を認める。明日の朝は帰隊遅延のなきように!」など、ユーモア溢れる御挨拶がありました。続いて、19期生HCDの実行委員長である武田壽一氏が「同期多数の参加と防大への感謝」を述べて乾杯し、歓談へと移りました。

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  挨拶する岩崎期生会長      祝辞を述べる國分学校長  乾杯をする武田HCD実行委員長
   
 会場は久しぶりの再会に皆が喜び合い、同期生同士はもちろんのこと、奥様同士でも会話が弾み、大盛況のうちに進みました。途中、19期生で放送作家の小島肇氏が作成した卒業アルバムなどを基にしたDVDの映像が流れ、懐かしい場面では関係者の歓声やコメントなども聞かれました。また、19期生である渡邉副校長が、様々なスライド資料により、防大の生い立ち、19期生在校当時の状況、現在の教育訓練の様子などを説明され、一同、感銘を受けていました。國分学校長は、精力的にすべてのテーブルを回られ、19期生諸氏と楽しく歓談され、写真撮影にも応じられていました。
 懇親会は、瞬く間に所定の時間が過ぎていき、来賓を含めた全員による肩を組んでの逍遥歌斉唱へと移行し、背景に懐かしい映像が流れる中、大いなる感動とともに謳い上げられました。最後に、倉本憲一氏の防大の発展と同期生の末長い絆を祈念しての万歳三唱の音頭で締められ、懇親会はお開きとなりました。
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     歓談の状況         学校長との歓談       渡邉副校長による説明

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       全員で肩を組んでの逍遥歌斉唱         万歳三唱の音頭をとる倉本憲一氏

 卒業式当日も前日同様、素晴らしい晴天で、朝8時50分には19期生188名、ご家族127名、総勢315名が陸・海・空に分かれて防衛学館のそれぞれの控室に集合を完了しました。その後、防大教官等にエスコートされ、時計台横の階段での全員による記念写真撮影を実施した後、式典参列者が卒業式会場である記念講堂に向かいました。記念写真撮影の際には、お忙しい中にもかかわらず、國分学校長、渡邉副校長、上尾幹事のご参加をいただきました。

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         防衛学館内の控室の状況            全員による記念写真撮影

 今年も昨年同様、学校側のご配慮により、HCD用として記念講堂内に140席を準備していただきました。なお、記念講堂に入れないHCD参加者は、防衛学館の4つの教場に準備された記念講堂のライブ映像を映し出すスクリーンにより卒業式を見学しました。
 卒業式は、予定どおり10時に安倍晋三内閣総理大臣が臨場され、まず、國分学校長から留学生を含む494名の本科卒業生及び66名の理工学・総合安全保障研究科卒業生一人一人に卒業証書が授与されました。
 学校長式辞においては、昨年に引き続きHCDについて言及され、「本日の卒業式には、第19期の皆さんが多数参列されています。今日の日本の平和と繁栄は、防大卒業生の皆さんが過酷な条件下で厳しい任務と責任を果たされた賜物であります。崇高な使命を見事に完遂されて、本日無事に帰校された第19期の皆さんに盛大な拍手をお願いいたします。」との言葉に、会場からは盛大な拍手が起こり、その祝福に応え19期生とご家族140名が起立し、敬礼をしました。
 また、学校長は式辞の中で「同じ19期卒業生であり、長年教授として防大の学問と教育に尽力され、とりわけ、過去4年間熱情溢れる副校長として、そして慈愛に満ちた先輩として防大生を育て上げ、この3月で退官される渡邉啓二先生」を紹介され、感謝の言葉を述べられました。

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 式辞を述べる國分学校長    訓示を述べる安倍総理大臣       起立する19期生

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 敬礼をして応える19期生      防衛学館(教場)でのライブ映像による卒業式見学

 自衛隊最高指揮官である安倍内閣総理大臣も、訓示の中で昨年同様、HCDについて言及され、「皆さんも在職中、心ない批判にさらされたかもしれません。しかし皆さんは、これに屈することなく、立派に責務を果たし、平和な日本を私たちに引き継いでくれました。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える。この宣誓の言葉に違(たが)うことなく、常に国民のため、黙々と任務に精励してきた皆さんの姿は、多くの国民の目に焼き付いています。今日、実に9割の国民が自衛隊に良い印象を持っています。これは皆さんの努力のたまものでありましょう。内閣総理大臣として心から御礼申し上げます。卒業生諸君、そして御列席の皆様、大きな仕事を成し遂げ、本日、懐かしき第二の故郷(ふるさと)、ここ小原台に戻ってこられたOBの皆さんへ、心からの感謝と敬意を表し、改めて大きな拍手を送りたいと思います。」と述べられ、安倍内閣総理大臣の拍手に合わせて会場の全員から19期生が再度祝福を受け、一同最大の誇りと感謝で感極まるとともに、HCD最大の盛り上がりとなりました。
 防衛学館の4つの教場に設置されたスクリーンで卒業式を見学していた19期生及びご家族も、記念講堂内の雰囲気と同様に、國分学校長のHCDへの言及・拍手及び、安倍内閣総理大臣のHCDへの言及・拍手の際には、盛大な拍手がわき起こり、感謝と感激に包まれました。また、「安倍総理のお言葉は、泣かせるねぇ」との声も上がりました。
 小野寺防衛大臣の訓示は、「今改めて日本を取り巻く安全保障環境が以前より一層厳しさを増していることを痛感しています」とし、自衛隊員に対するねぎらい、卒業生に対する大いなる期待が込められたものでした。
 また、来賓祝辞は、コロンビア大学名誉教授のジェラルド・カーティス氏が、堪能な日本語を駆使してご自分で書かれたものを日本語で述べられました。その趣旨は、インド・太平洋地域の不安定な状況には安全保障上のリスクを低下させるための強固な日米同盟がますます重要性を増してくること、そのためにも、防大卒業生は国際的な視野を広げ、違った視点からモノを見るための語学研修が不可欠と激励されました。

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訓示を述べる小野寺防衛大臣 祝辞を述べるジェラルド・カーティス氏  恒例の「帽子投げ」

 卒業証書授与、学校長式辞、内閣総理大臣訓示、防衛大臣訓示、来賓祝辞と進んだ卒業式も、卒業生代表の答辞、「学生歌」斉唱と続き、卒業生代表の「解散」の発声により、恒例の「帽子投げ」が行われ、12時少し前に、予定どおり終了しました。
 卒業式終了後から任命宣誓式の開始までの間に、記念講堂横の顕彰碑において19期生代表による顕彰碑献花式が厳粛に執り行われました。参列者は、HCD行事に参加した中から約80名であり、顕彰されている同窓全殉職者100柱(19期生に殉職者なし)に対して、岩崎会長等による献花ののち参列者全員で黙祷・拝礼を捧げました。

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    顕彰碑献花式      候補生と握手し、退場時、HCD席に一礼する安倍総理大臣

 その後、陸・海・空それぞれの真新しい制服に着替えた卒業生が整列して待機する中、安倍内閣総理大臣が臨場し、12時30分に一般幹部候補生の任命宣誓式が開始されました。まず、山崎幸二陸上幕僚長、村川豊海上幕僚長、丸茂吉成航空幕僚長が、陸上・海上・航空の各要員を、陸・海・空曹長及び一般幹部候補生にそれぞれ任命し、その後、陸・海・空幹部候補生全員で宣誓を行い、陸・海・空の各代表が安倍内閣総理大臣に宣誓書を手渡し、握手を交わしました。19期生からは、「内閣総理大臣に宣誓書を手渡すようになったのだ」との感嘆の声が聞かれました。
 任命宣誓式終了後、陸上競技場において3学年以下の在校生による観閲式が行われました。観閲式には卒業式史上初となるブルーインパルスによる観閲飛行も行われ、観閲式に花を添えました。19期生は陸上競技場の一角に設けられたHCD専用の席で観閲式、観閲飛行、観閲行進を見学し、整斉とした学生たちの姿に当時の自分を重ねるとともに、惜しみない拍手を送っていました。
 2日間での参加者は、19期生206名、ご家族132名、総勢338名に及び、観閲式見学をもって19期生HCDのすべての行事は終了、武田実行委員長の号令で解散しました。
 この後、希望者は事前に示されていた4つのグループに分かれ、第1大隊から第4大隊の学生舎を見学しました。各学生舎では、指導官及び各学年の学生が小グループごとに研修を担当し、19期生やご家族からの質問にも親切に答えてくれていました。現在の学生舎は19期生が在学した当時と同じ各学年混在の8人部屋に戻っていますが、女子学生や多くの留学生の存在など状況はずいぶん異なり、また住環境は当時と比べゆったりとして格段に良くなっており、時代の流れを実感しているようでした。

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 観閲式場のHCD席の状況      整列する学生隊      巡閲する小野寺防衛大臣

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 ブルーインパルスの編隊飛行 解散を宣言する武田実行委員長     学生舎の見学

 最後に、19期生HCDの実施に向け、2年前から準備を進められた実行委員長以下実行委員の皆様の活動に対して心からの慰労と感謝を申し上げますとともに、19期生HCDの準備から実施に至るまで懇切丁寧にご支援いただきました防衛学教育学群長をはじめとする防衛大学校職員の皆様に心から感謝を申し上げます。
                            (同窓会本部事務局事業部HCD担当記)

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