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同窓生は今

今人生、男盛り(22期ーその3)

2017.03.11

防大入校の動機を胸に 22hayano1.jpg
   海22期 早野 禎祐

 防衛大学校同窓会の皆様におかれましては、それぞれの道でご活躍されていることに敬意を表します。私は海上自衛隊を退官して間もなく6年を迎えようとしています。現在、安全保障・防衛関連のコンサル会社を設立して代表取締役として活動しております。まだまだ小さな会社ではありますが、海外で行われる防衛装備展示会等に参加して、その報告書等で自衛隊現役の皆さんを支援するとともに、高度な技術と製品等を持つ海外企業を中心にそれらのビジネスアドバイスを行っています。退官後、そこに至る経緯と現在の活動内容等について紹介したいと思います。
 退官当初は、経験の長いITやネットワーク企業で米軍の退官者と同様に積極的に働きたいと考え、シスコシステムズ合同会社(ネットワークのルーターやスイッチ等の世界最大企業の日本法人)で事業開発部長(安全保障担当)として働き始めました。しかしながら、2年を過ぎた頃から同社の技術や製品だけでは自衛隊への貢献には不十分なことを認識し始めました。また売上増大を求める上司の役員との関係がギクシャクし、防衛分野からの配置換えの打診を受けたことにより退職を考え始めました。自衛隊退官後から妻と二人で海外旅行に行くようになっていましたが、この年の夏旅行はウィーンとプラハを周遊するものでした。実は、私が防大に入るきっかけを作ったのはプラハでした。1968年、プラハの街をワルシャワ条約機構軍の戦車が充満しプラハの春の終焉を告げるニュース映像を見て、自国の意思決定に他国から軍事力による強要を受けたくないと思い、当時の中学校の担任教師に相談して防大に入る決心をし、そのための高校選択も行いました。その人生の進路を決めた現地に自ら立ってみて、「防衛から離れるのは止めよう。」と再度決断をしました。
 帰国後、大先輩の元将官に相談し、軍事ビジネスコンサルタントとして独立するよう背中を押されると同時に会社設立後に最初の顧客候補となる会社もご紹介いただきました。お陰様で会社設立と同時に最初の契約を頂きました。最小限の経済的な基盤ができたことで、会社設立目的である安全保障に貢献する支援と高度技術を自衛隊に導入する支援(ビジネス)を推進することができるようになりました。また、米海軍の退役将官からは高度な技術を持つ会社やユニークな製品を持つ会社をご紹介いただきました。私がサイバーセキュリティ等に関する国際資格を保有していることから、ご関係の方々の推薦により防衛省の某サイバーセキュリティに関する協議会の有識者委員も拝命させていただきました。これらのことが会社の国際的な信用力を高めてくれました。
 会社設立後は軍事ビジネスコンサルタントとしての知識習得を目的として、AFCEA(米軍通信電子協会)主催の会議と展示会を中心に海外イベントに参加するようになりました。初年度は、米国のオーガスタ及びハワイの展示会に参加して、その報告書を作成して各幕や部隊に配布すると共に、収集してきたユニークな技術等を紹介する活動を始めました。実際に枢要な米軍の関係者の講演やディスカッションを聞き、多くの関連企業が展示している内容を見ると、目を開かせられるものがありました。多くの参加者との会話や展示会のブースで質問をしたりすることにより、日本ではまだ実現していない高度な技術やデュアルユース技術が軍の要求により装備化されている現実を認識することができました。これらの報告に対する自衛隊現役の皆さんの好反応を得て、会社の設立理念は間違いないことを確信するに至っています。また自らが展示会に参加して報告するだけでなく、高度な技術を持つ海外企業の日本での事業展開の支援を行い、当該企業の技術者やCEO等に来日してもらって、自衛隊や国内企業での説明会を行う企画や実施活動を行っています。
 海外出張は昨年が計7回、今年も米国・英国・シンガポール等計7回程度を計画しています。毎年同じ展示会に参加していますと、同様に参加している世界各国の企業の方々とも親しくなり、そこから新たな事業展開ができるようになりました。展示内容や会話で米軍や欧州各国の軍の方向性も見えてきます。何と言ってもビジネス界を含めた世界の軍関係者と会話して新たな知識を吸収できることは、私にとって楽しみでもあります。さらに自衛隊現役の皆さんが、既存の国内企業からは得られない世界の軍事技術や装備品等の生の情報を喜んで受け取って頂けることにやりがいを感じております。
 今後も私が防大へ入る動機となった想いを胸に、自衛隊が人・モノ・金に制限を受けている環境でも「戦いに勝つ」ための装備品やシステムを得ることができるように、海外の軍の装備動向や高度な技術等の紹介を通じた支援活動を続けていきたいと思っております。

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