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防衛大学校関連

新幹事に聞く

2017.01.23

「防大生よ、勇気を持て!」   29kanji.jpg

防衛大学校 幹事        
陸将 岸川 公彦(28期・陸上)


全国の防衛大学校同窓会の皆さん、こんにちは。私は、昨年の夏に第48代幹事として着任した28期生の岸川です。自衛官としてのキャリアーをスタートしたここ小原台に今回幹事として約30年ぶりに勤務できることを望外の喜びと感じるとともに、その役割の重さを強く認識しているところです。そして、國分良成学校長のご指導のもと、「全ては学生のために」、全身全霊を尽くす所存です。今後ともご指導をお願いいたします。

 さて、今日は幹事である私が見た防衛大学校の近況について少しご紹介させて頂きます。先日(平成28年12月)、防衛大学校において、本年の学生隊行事を締めくくる競技会として「ビブリオバトル」が開催されました。ご承知の皆さんも多いかと思いますが、「ビブリオバトル」とは、書評合戦ともいうべきもので、読者(発表者)自らが好きな本を持ち寄って書評を展開し、最終的に参加者が最も読みたくなった本を選ぶという競技です。ここ防衛大学校においても、学生の読書意欲の高揚等を図るため、平成25年度から行っている大隊対抗による競技会であり、今年で4回目となりました。年々そのレベルも向上しており、今年は第3大隊が優勝をいたしました。
 現在防衛大学校では、従来から行われている伝統的な競技会である春の「カッター競技会」(第2学年)、秋の開校記念祭における「棒倒し競技会」、現在は年度末に行っている「断郊競技会」(第3学年)をはじめとするいわゆる体育系の競技会に加え、「ビブリオバトル競技会」や「英語能力検定(TOEIC)成績」をはじめとするいわゆる知識系の競技会も行うようになり、最終的にはこれらの結果を総合し、「年度最優秀大隊」として表彰しています。これにより従来以上に学生間での切磋琢磨を助長しつつ、知徳体のバランスのとれた資質の向上や自主自律の精神の涵養に努めているところです。

 これらは、数年前より、國分良成学校長のイニシアティブの下推進している「新たな高みに向けてプロジェクト」を受けたもので、「世界一の士官学校」そして「日本一の大学」を目指して各種施策を積極的に推進しているところです。一例を挙げるとすれば、学術分野では、グローバル・セキュリティ・センター(GSC)の開設による国際交流事業の充実を図っており、また、訓育分野では、先に述べた競技会の拡充はもとより、「新たな学生間指導のあり方」等に基づき、学生舎における慣習、心得、躾、規律、信頼、服従等についても、学生の自主自律を重んじつつ、その充実に努めているところです。

 その「ビブリオバトル競技会」の表彰式において、國分学校長より、池田潔著「自由と規律」を紹介しつつ、「良書に巡り合うことの重要性」そして「防衛大学校における自由と規律」について話がありました。既に多くの皆さんも本書については、十分にご承知とは思いますが、同氏は、イギリス文学のご専門で慶應義塾大学において教鞭をとられた方で、その代表作の一つである「自由と規律」は、戦前のイギリスのパブリックスクール等で学んだ著者の経験に基づき、自由の重要性や自由を守るための規律の重要性を説いた名著と言えます。そのエッセンスは、著書の中で引用されている恩師である小泉信三先生の言葉に最もよく表れていると思います。それは、「かく厳格なる教育(イギリスのパブリックスクールの教育)が、それによって期するところは何であるか。それは正邪の観念を明らかにし、正を正とし邪を邪としてはばからぬ道徳的勇気を養ひ、各人がかかる勇気を持つところにそこに始めて真の自由の保障がある所以を教へることに在ると思ふ。」と言う言葉です。まさに小原台において我々が目指している資質教育の究極的な狙いそのものであると思います。

 他方、これらの資質教育については、現在も日々学生隊や校友会活動を通じ自主自律を重視した実践陶冶により日々充実を図っていることころですが、その成果は、一朝一夕に出るものでなく、指導者(教官)等による率先垂範とそれに善導される全学生による、高い志の保持とその追求を目指した日々の弛まない努力が必要であり、未だ道半ばであり、まさに「任重く道遠し」と言わざるを得ません。

 このような中、着任以来、学生の学生舎における生活さらには校友会における活動等を機会を見つけ観察してみると、ほとんどの学生諸官は、物事の良し悪しの峻別は十分認識しているものと思われます。また、自由と放縦の違いそしてその違いがそれらを裏付ける規律があるかないかによること、さらにはその規律を身につけるための修養の場がここ小原台であることなどもしっかり理解しているのです。問題は、往々にして自らが善とするところの実践に尻込みする嫌いがあるという点だと思います。

 まさに今防衛大学校の学生諸官に求められているものは、小泉信三先生が述べられている「道徳的勇気」だと思います。防衛大学校の卒業生としてまた、現在学生教育に携わる者の一人として、「防大生よ、勇気を持て!」と問いかけたいと思います。さらに、このような学生を日々善導すべき我々指導者(教官)等に対しても福澤諭吉先生の言葉を引用し一言。「徳教は目より入りて耳より入らず。」読んでお分かりの通り、言葉でよい教えを耳に説いて聞かせるより、自らが実践し、目から見せることには敵わないという意味です。正に我々指導者(教官)等に学生の活模範となる率先躬行が強く求められているのです。

 以上、新着任者の目から見た防衛大学校の近況について、紹介させていただきました。今後とも、國分良成学校長の下、学生そして教官等が一丸となって、明るくそして生き生きと日々取り組んでまいります。防衛大学校同窓会の皆さん、ご支援・ご協力をお願いいたします。

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