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油井宇宙飛行士近況アーカイブ

2015.03.01

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2015年2月27日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、2月初めはNASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行い、その後はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を行い150213_yui_soyuz.jpgました。
JSCでは、船外活動やISSのロボットアーム(SSRMS)の訓練を行いました。無重量環境訓練施設(NBL)のプールを利用した訓練では、訓練用の船外活動ユニットを着用してプールに潜り、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)のモックアップ(実物大の模型)を使って訓練を行いました。この訓練で油井宇宙飛行士は、「こうのとり」の曝露パレットに搭載された船外装置を船外活動を実施して取り外さなければならない状況を想定した手順を訓練しました。
また、船外活動クルーとSSRMSを操作するクルーが連携して船外活動の任務を進める流れを習熟するために、バーチャルリアリティ(VR)システムを利用して、一緒に飛行するチェル・リングリン宇宙飛行士と訓練を実施しました。訓練の中で、油井宇宙飛行士はSSRMSの操作を担当し、船外活動クルーの作業を支援する手順を確認しました。
ロシアでは、ソユーズ宇宙船の飛行をシミュレーションした訓練が主なものでした。油井宇宙飛行士は、コマンダーのオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士、リングリン宇宙飛行士とともに、打上げからISSにドッキングするまでと、ISSから分離して帰還するまでの各飛行段階において実施するソユーズ宇宙船の操縦方法を実習しました。油井宇宙飛行士らは、ソユーズ宇宙船が自動制御によって運用できなくなった場合のバックアップとして用意されている手動制御によるソユーズ宇宙船の操縦方法や、ソユーズ宇宙船で飛行中に急減圧が発生した場合の対処などを訓練しました。ISSのロシアモジュールについては、火災・急減圧といった緊急事態の発生を想定した対処訓練を実施しました。
ソユーズ宇宙船のシミュレータで訓練を行う油井宇宙飛行士ら(出典:JAXA/GCTC)

油井宇宙飛行士、筑波宇宙センターでISS長期滞在に向けた訓練を実施(2015年1月30日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞50p2015000325.jpg在クルーである油井宇宙飛行士は、1月初旬に帰国し、1月7日から15日にかけて、筑波宇宙センターで「きぼう」日本実験棟と宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)に関わる訓練を行いました。
「きぼう」のシステムについては、「きぼう」の中でも特に重要な監視制御系・電力系・通信制御系・熱制御系・環境制御系について復習しました。油井宇宙飛行士は、これらのシステムに何かしらの異常が発生した場合でも適切に対処できるレベルの知識・技術を再確認しました。この他に、「きぼう」のシ50p2015000313.jpgステムに関しては、「きぼう」で日々実施する定常的な作業や、油井宇宙飛行士がISSに滞在する間に計画されている機器の保守作業の手順を確認する訓練などを行いました。油井宇宙飛行士は、「きぼう」ロボットアームの訓練も行い、船外実験装置を移設する操作をシミュレータを使用して実習しました。また、「きぼう」運用管制チームと一緒にエアロックの運用を想定した合同の訓練を実施し、「きぼう」運用管制チームとの連携を深めました。
「きぼう」の実験に関わる訓練では、実験ラックに搭150105_4t3a1680.jpg載されている機器の操作や、実験試料が入った容器などの各実験専用の機器の取り扱いを確認しました。
「こうのとり」については、軌道上で宇宙飛行士が実施する作業の他に、ミッションの流れや緊急事態発生時の運用などを訓練を通して確認しました。
今回の帰国がISS第44次/第45次長期滞在ミッション前最後の機会であったことから、ミッションを地上から支える運用管制チームや実験に関わる関係者らとの最終調整も行いました。1月5日には、JAXAの東京事務所で記者会見を行い、集まった報道関係者らを前に、ミッションに向けた意気込みなどを語りました。
日本での訓練を終えた油井宇宙飛行士は、1月中旬に米国へ移動し、以降はNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行いました。
JSCでは、第44次長期滞在クルー全員で、ISSで火災などの緊急事態が発生したことを想定した対応訓練を、ISSの実物大の訓練施設を利用して行いました。医療訓練の一環では、AED(自動体外式除細動器)を使用した心肺蘇生の実習も行いました。その他、油井宇宙飛行士は、ISSに接近した補給船をISSのロボットアーム(SSRMS)で把持する操作の訓練や、故障したトイレの修理方法、船外活動の準備作業の支援手順などについても訓練を行いました。
静電浮遊炉(ELF)の訓練を受ける油井宇宙飛行士(左)と欧州宇宙機関(ESA)のティモシー・ピーク宇宙飛行士(中央)(出典:JAXA)
簡易曝露実験装置(ExHAM)の訓練を受ける油井(左)、チェル・リングリン(奥)、ピーク(右)宇宙飛行士(出典:JAXA)
記者会見の様子(出典:JAXA)

油井宇宙飛行士が記者会見を実施(2015年01月06日)
1月5日、国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次150105_p1000504.jpg長期滞在クルーに任命されている油井宇宙飛行士が、JAXAの東京事務所で記者会見を行いました。
油井宇宙飛行士は、集まった多くの報道関係者らに対して、会見の冒頭で挨拶をしたのに続き、打上げに向けた現在の訓練状況や自身のミッションの概要を説明しました。
ミッションの概要を説明する中で、油井宇宙飛行士は、来年度打上げが予定されている宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)でISSに運ばれる予定の高エネルギー電子、ガンマ線観測装置(CALorimetric Electron Telescope: CALET)の成果に150105_p1000235.jpg期待を寄せていることや、「きぼう」日本実験棟で行われている超小型衛星放出などの民間利用の促進に一役買いたいと思っていることなどを語りました。
質疑応答では、前職の航空自衛隊でのテストパイロットの経験を活かして、ISSでの仕事をより良くできないか問題意識を持ってISSでの任務に取り組みたいと語る場面もありました。また、将来の有人惑星探査を見据えて、次につなげる新たな挑戦をテーマに、様々な実験にも積極的に参加したいと語りました。
今回の記者会見は、ISS長期滞在ミッション前最後の帰150105_p1000568.jpg国の機会に合わせて行われました。今後2週間にわたって筑波宇宙センターで「きぼう」のシステム機器や実験に関わる訓練を行う予定です。日本での訓練を終えた後は、2015年5月からのISS長期滞在に向けて、米国とロシアで引き続き訓練を行います。
記者会見の様子(出典:JAXA)
記者会見の会場の様子(出典:JAXA)
ミッションロゴを背にISSの模型を持つ油井宇宙飛行士(出典:JAXA)

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年12月26日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
船外活動に関わる訓練の一環では、ISSの「クエスト」(エアロック)と同様の機能を持つSSATA(Space Station Airlock Test Article)と呼ばれる訓練設備を利用して、船外活動の準備作業手順を確認する訓練を行いました。この訓練で油井宇宙飛行士は、ISSで使用されている本物の船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)を着用し、減圧されたSSATAの中でクエストとEMUの装備品の操作を確認しました。
また、油井宇宙飛行士は、環境衛生システム(Environmental Health System: EHS)の運用手順を確認する訓練も行いました。EHSは、ISS船内の音響環境・放射線量・空気組成などを調べる装置から構成されるシステムで、ISS船内の環境を定期的にモニタするために利用されています。
その他には、米国のISSトイレ(Waste and Hygiene Compartment: WHC)の使用方法やメンテナンス方法についての訓練や、ISSの運用技術を維持するためにISS滞在中に用いる軌道上訓練用のシステムの使い方に慣れるための訓練を行いました。
油井宇宙飛行士は、微小重力環境での長期滞在によって身体に起こる変化を調べる研究の被験者として、さまざまな医学データの取得も行いました。

油井宇宙飛行士、ソユーズ宇宙船(41S)のバックアップクルーとしてプライムクルーに同行(2014年11月30日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在5044463125.jpgクルーである油井宇宙飛行士は、11月24日にソユーズTMA-15M宇宙船(41S)が打ち上げられる直前まで、41S搭乗クルーのバックアップクルー(交代要員)の任務を務めました。
11月上旬、41Sのプライムクルーと油井宇宙飛行士らバックアップクルーは、ロシアの星の街で過ごしました。油井宇宙飛行士らは、ロシアに滞在する間、ロシアの宇宙開発の歴史に関連が深い場所を訪問する伝統行事の一環で、星の街にある博物館やモスクワの赤の広場を訪れました。
その後、プライムクルーとバックアップクルーは、それ3236010017.jpgぞれ11月11日と12日に、ソユーズ宇宙船の打上げが行われるカザフスタン共和国のバイコヌールに移動しました。
バイコヌールでは、打上げに向けた最終準備に取り組みました。クルーは、バイコヌール宇宙基地で整備が行われていたソユーズTMA-15M宇宙船に搭乗して機器の操作性や物資の搭載状況などを確認しました。また、シミュレータを使用して、ソユーズ宇宙船を操縦する手順を確認する訓練も行いました。打上げ直前まで、健康状態を確認するために医学検査も日々受けました。2709306103.jpg
油井宇宙飛行士らバックアップクルーの任務は、ソユーズ宇宙船の打上げ直前に解かれました。41Sクルーを乗せたソユーズ宇宙船は、11月24日午前6時01分にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。
今後、油井宇宙飛行士は、半年後に控えた自身の第44次/第45次長期滞在ミッションに向けて、引き続き訓練を行っていきます。
ソユーズTMA-15M宇宙船の前でポーズを取る油井宇宙飛行士らバックアップクルー(出典:FSA)
ソユーズ宇宙船の操縦訓練を行う油井宇宙飛行士らバックアップクルー(出典:FSA)
記者会見を行う41Sのプライムクルーとバックアップクルー(出典:FSA)

油井宇宙飛行士の活動状況(2014年11月18日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、2015年5月に打上げ予定のソユーズ宇宙船(43S(TMA-17M))に搭乗するプライムクルーとして、ISS長期滞在に向けた訓練を行っております。
同時に、本年11月24日に打上げ予定の同宇宙船(41S(TMA-15M))のバックアップクルー(交代要員※)にも任命されており、現在は、他の第44次/第45次長期滞在クルー(オレッグ・コノネンコ、チェル・リングリン)と共にバイコヌール宇宙基地(カザフスタン共和国)に移動し、プライムクルーと行動をともにしています。
(※)プライムクルーが何らかの理由で飛行出来なくなってしまった場合に、代わりに飛行する飛行士のこと。

油井宇宙飛行士、ソユーズ宇宙船(41S)搭乗クルーのバックアップクルーとしてロシアで訓練を実施(2014年10月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在141024_img_5492.jpgクルーである油井宇宙飛行士は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
油井宇宙飛行士ら第44次/第45次長期滞在クルーは、ソユーズTMA-15M宇宙船(41S)に搭乗してISSに向かう第42次/第43次長期滞在クルーのバックアップクルー(交代要員)に任命されています。ソユーズ宇宙船(41S)の打上げが日本時間の11月24日に控えていたことから、10月は、ソユーズ宇宙船(41S)のバックアップクルーとしてソユーズ宇宙船とISSのロシアモジュールに関わる訓練を受けました。
油井宇宙飛行士らは、ソユーズ宇宙船に関わる各種のシミュレーション訓練を実施し、ISSへのランデブ・接近・ドッキング、ISSから分離後の大気圏4584915853.jpg再突入の運用において、ソユーズ宇宙船を手動で操縦する手順などを実習しました。再突入時の手順については、模擬重力を人工的に発生させる大型のセントリフュージを利用して、再突入時に実際に身体にかかる加重を再現した環境の中でも訓練を実施しました。訓練の最後には、各運用フェーズにおける手動操縦技術を確認するために試験を受けました。ロシアモジュールについては、シミュレータを使用して定常的な作業を模擬した訓練を行いました。
そして10月30日と31日には、41Sクルーのプライムクルーとバックアップクルーの技量が、ソユーズ宇宙船での飛行とISSのロシアモジュールにおける長期滞在に問題がないことを確認する最終評価試験が行われました。
試験1日目の10月30日、プライムクルーはISSのロシアモジュールの試験を受け、バックアップクルーはソユーズ宇宙船の試験を受けました。
油井宇宙飛行士ら3名のバックアップクルーは、ソコル宇宙服を着用してソユーズ宇宙船の実物大のシミュレータに乗り込み、試験に臨みました。試験では、通信システムや測距装置の故障、メインエンジンの不具合、火災などにクルー3名で協力しながら対処しました。
試験2日目となる10月31日、プライムクルーはソユーズ宇宙船の試験を受け、バックアップクルーはロシアモジュールの試験を受けました。
油井宇宙飛行士らは、酸素生成装置の不具合や「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)内の火災など、さまざまな不具合や緊急事態に対処しました。
プライムクルー、バックアップクルーともに試験を通過し、ソユーズ宇宙船の打上げに向けた準備を整えました。
ロシアモジュールのシミュレータで訓練を行う油井宇宙飛行士ら(出典:JAXA/GCTC)
ソユーズ宇宙船の試験に臨む油井宇宙飛行士ら(出典:JAXA/GCTC)

油井宇宙飛行士、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年9月30日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、米国のNASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
船外活動に関連した訓練では、ISSの実物大の訓練施設が沈められた無重量環境訓練施設のプールに潜り、ISS船外機器のメンテナンス手順の確認に加えて、今後、新たにISSに取り付けられる予定のドッキング機構(International Docking Adapter: IDA)を設置する手順を訓練しました。IDAは、国際間での標準化を目的にNASAが開発するドッキング機構で、スペースシャトルのドッキングに使用されていた与圧結合アダプタ(PMA)に取り付けられる予定です。油井宇宙飛行士が手順を訓練する前段階において、金井宇宙飛行士が船外活動の手順作成に携わりました。また、油井宇宙飛行士は、船外活動中に誤って宇宙空間に放り出されてしまった場合に使用するセルフレスキュー用推進装置(SAFER)の操作をバーチャルリアリティ(VR)システムを使用して訓練しました。
ISSのロボットアーム(SSRMS)については、ISSに接近した無人の補給船を把持する操作を訓練しました。
その他、ISSの実物大の訓練施設を使用して、ISS船内での通常の任務を模擬した長時間にわたる訓練や、ISSに緊急事態が発生したことを想定した対処訓練などを行いました。
訓練以外には、油井宇宙飛行士のISS滞在期間中に実施が計画されている実験の概要を確認する打ち合わせを行ったほか、自身が被験者となる医学実験に関しては、ISS滞在中および帰還後の医学データと比較するために飛行前の医学データを取得しました。

油井宇宙飛行士、ロシアと日本でISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年8月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在ク50p2014001359.jpgルーである油井宇宙飛行士は、8月前半はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を行い、8月後半は一時帰国し、筑波宇宙センターで訓練を行いました。
ロシアでは、ソユーズ宇宙船とロシアモジュールについて訓練を行いました。ソユーズ宇宙船の訓練では、シミュレータを使用して、打上げからISSにドッキングするまでの運用を、実際の運用と同じ時間をかけて模擬した訓練や、ISSへの接近・ドッキングおよびISSから分離後の大気圏再突入において、自動制御モードが不具合などにより使用できない場合50p2014001372.jpgを想定して、ソユーズ宇宙船を手動で操縦する訓練を行いました。
ロシアモジュールについては、コンピュータ上で在庫管理システムを操作する方法を確認したほか、モジュール内の機器の配置について試験を受けました。また、急減圧が発生したことを想定した訓練も行い、減圧室内に設置されている実物大のロシアモジュールの訓練施設を利用して、圧力差で開閉しづらくなったハッチの操作などを実際に体験しました。
ISSからの緊急帰還を想定した訓練も実施し、ソユーズ宇宙船に搭乗してISSから離脱した後、ソユーズ宇宙船に発生するさまざまな不具合に対処しながら帰還するシミュレーションを行いました。
ロシアでの訓練期間中、油井宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船搭乗時に着用するソコル宇宙服の開発メーカーであるズヴェズダ社を訪れました。油井宇宙飛行士は、自身の体型に合わせて作製されたソコル宇宙服を着用し、ソユーズ宇宙船の自身専用の座席とのフィットチェックや、低圧環境下で宇宙服が正常に機能することを確認する試験に参加しました。油井宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船の開発を手掛けるRSCエネルギア社にも訪れ、普段の訓練では触ることのできない実機を確認しました。
筑波宇宙センターでは、「きぼう」日本実験棟のシステムと実験に関連する訓練を行いました。
「きぼう」のシステムについては、これまでに学んだ知識・技術を再確認する訓練を行ったほか、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)がISS接近時に使用する近傍通信システム、「きぼう」のエアロック、カメラなどの運用や機器のメンテナンス方法について訓練を行いました。
「きぼう」の運用管制チームと合同で、「きぼう」ロボットアームの運用を想定した訓練も行いました。油井宇宙飛行士は、運用管制チームと連携しながらシミュレータ上でロボットアームを操作し、通常の運用に加えて不具合の発生も模擬される中で、運用管制チームと協調して運用を進める経験を積みました。
「きぼう」での実験については、実験テーマや実験装置の概要を訓練を通して学びました。
「きぼう」船内実験室の運用に関わる訓練を受ける油井宇宙飛行士ら(出典:JAXA)
Aniso Tubule実験に関わる訓練を受ける油井宇宙飛行士ら(出典:JAXA)

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年7月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、7月中旬まで米国のNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行い、7月下旬はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を行いました。jsc2014e063207.jpg
JSCでは、ISSの運用に関わるさまざまな訓練を行いました。ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)に関わる訓練では、ISSに接近した無人の補給船を把持するSSRMSの操作訓練や、SSRMSの操作技術を維持するためにISS滞在中に行う訓練の手順確認などを行いました。船外活動に関連した訓練では、船外活動ユニットのサイズを調節する手順や船外活動で使用する工具の操作などを確認しました。油井宇宙飛行士は、ISSの電力系統の不具合への対処訓練や、他のクルーが心肺停止状態になってしまったことを想定した救急訓練なども実施しました。
また、ISSで行われている医学研究に関する訓練も行いました。筋萎縮や骨量減少を最小限に抑える運動プログラムの開発を目的としたSPRINTと呼ばれる実験の一環でISS滞在中のクルーが実際に実施する運動方法を行ったり、微小重力下に長期滞在する宇宙飛行士の身体の大きさの変化や変わり易さを理解するために行われているBody Measuresと呼ばれる実験の実施手順を確認しました。
ロシアでは、ソユーズ宇宙船を手動操縦する技能を向上するための訓練を重点的に行い、ISSへの接近やドッキング、大気圏突入時における機器の操作を、シミュレータを使用して訓練しました。人工的に模擬重力を発生させる大型のセントリフュージを使用して、ソユーズ宇宙船大気圏再突入時にクルーの身体にかかる加重を実体験する訓練も実施しました。
船外活動で使用する工具の操作を確認する油井宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA/James Blair)

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年6月30日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、5月に引き続き、6月6日までロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を行い、その後は米国に移動して、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISSに関わる訓練を行いました。
ロシアでは、ソユーズ宇宙船で一緒に飛行するロシアのオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士、NASAのチェル・リングリン宇宙飛行士とともに、ソユーズ宇宙船の運用を模擬した訓練や、ISSのロシアモジュールで火災・急減圧・空気汚染などの緊急事態が発生したことを想定した訓練を行いました。
JSCでは、ISSの米国側モジュールで緊急事態が発生した場合の対処訓練のほかに、船外活動訓練やIMAXカメラの操作訓練などを行いました。船外活動については、無重量環境訓練施設のプールを使用した技量試験も行われ、試験の中で油井宇宙飛行士は、船外活動中に何かしらの理由で気を失ってしまった船外活動のパートナーを救助する手順を実践しました。また、高負荷・短時間の運動で筋萎縮や骨量の減少を最小限に抑えるプログラムを開発することを目的としたSPRINTと呼ばれるNASAの実験に関わる訓練を行い、被験者となるクルーがISS滞在中に実施する運動手順を確認しました。

油井宇宙飛行士、ドイツとロシアでISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年5月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、5月7日から14日にかけてはドイツ ケルンにある欧州宇宙機関の欧州宇宙飛行士センターで、5月19日からはロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
ドイツでは、「コロンバス」(欧州実験棟)に搭載されている機器を運用する上で必要な知識を得るために、講義や実物大の訓練施設を使用した訓練を行いました。
訓練では、コロンバスの熱制御や電力供給を担うシステム機器についての知識を身に付け、システム機器の安全処置などを学びました。また、コロンバスに搭載されている生物学実験ラック・流体科学実験ラック・欧州生理学実験ラックなどの実験機器の操作やメンテナンス方法を確認しました。
ロシアでは、ISSのロシアモジュールとソユーズ宇宙船について訓練を行いました。ロシアモジュールについては、通信システムと電力供給システムの講義を受けて実習を行ったほか、火災・急減圧といった緊急事態が発生した際の対処法を確認しました。ソユーズ宇宙船に関しては、シミュレータを使用して、軌道に投入されてからISSへ接近するまでの運用や、ISSへの最終接近・ドッキング、ISSから分離後の大気圏再突入において、ソユーズ宇宙船を手動で操縦する訓練を行いました。

油井宇宙飛行士、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年4月30日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
ISSに滞在する宇宙飛行士の任務は、実験とシステムの運用・保守が主要な作業であり、油井宇宙飛行士は、4月はISSのシステム運用・保守に関連する訓練を中心に行いました。
油井宇宙飛行士は、ISSの船外機器のメンテナンス作業を想定した船外活動手順を確認するために無重量環境訓練施設(Neutral Buoyancy Laboratory: NBL)のプールを使用した訓練を実施したほか、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)で船外活動を支援する運用を想定した訓練を行いました。
ISS船内のシステムについては、機器で発生する余分な熱を船外に放出する熱制御システム(Thermal Control System: TCS)のメンテナンス方法や、TCSの冷媒が漏れた場合の対処法などを確認しました。その他、ISSで使用する予定のIMAX 3Dカメラの使い方も学びました。
油井宇宙飛行士は、ISSの訓練を行う一方で、宇宙飛行準備訓練の一環でT-38ジェット練習機による飛行訓練も行いました。

油井宇宙飛行士のISS長期滞在に向けた訓練(2014年3月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けたさまざまな訓練を行いました。
船外活動に関わる訓練では、船外活動を開始する前に船外活動クルーが実施する準備手順を確認しました。油井宇宙飛行士は、体内に溶け込んでいる窒素を排出することで船外活動中の低気圧環境下で減圧症(ベンズ)にかかることを防ぐ手順を確認しました。
また、ISS滞在中に医療担当クルー(Crew Medical Officer: CMO)が行う医学検査の手順や救急処置法、医療機器の使い方についても訓練を行いました。
油井宇宙飛行士は、軌道上で医学実験や検査で使用する機器の操作方法も学び、筋量の測定などに使用する超音波装置や、眼の検査に使用する機器、加速度を測定することで体重を計る軌道上加速重量計測機器(Space Linear Acceleration Mass Measurement Device: SLAMMD)といった装置の使い方を訓練を通して確認しました。
ISSで実施される実験についても訓練を受け、食事メニューや食事をとる環境が宇宙飛行士のストレスやチームの雰囲気にどのような影響を及ぼすか調べるNASAの研究や、欧州宇宙機関(ESA)の植物実験装置の操作方法を学びました。
今後も油井宇宙飛行士は、2015年6月頃から予定されているISS長期滞在に向けて訓練を継続していきます。油井宇宙飛行士は、自身のTwitterで訓練の様子や近況などをつぶやいていますので、是非こちらもご覧になってください。
https://twitter.com/Astro_Kimiya

油井宇宙飛行士、ロシアと日本でISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年2月28日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、2月前半は1月に引き続きロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で訓練を行い、2月後半は一時帰国し、筑波宇宙センターで訓練を行いました。
GCTCでは、ソユーズ宇宙船とISSのロシアモジュールについて訓練を行いました。ソユーズ宇宙船に関しては、シミュレータを使用した訓練が中心でした。油井宇宙飛行士は、自動化されているISSへの接近・結合及びISSから離脱後の再突入時の運用において、不具合が生じて自動で飛行を制御できなくなった場合を想定して、ソユーズ宇宙船を手動で操縦する訓練を行いました。ISSのロシアモジュールについては、環境制御・生命維持システムに関わる訓練を重点的に行いました。その他、ソユーズ宇宙船が万が一海上へ不時着した場合に備え、ヘリコプターによる救助を想定した訓練なども行いました。50p2014000529.jpg
筑波宇宙センターでは、「きぼう」日本実験棟のシステムについて訓練を行いました。油井宇宙飛行士は、訓練の初めに、前回までの訓練で得た知識の再確認を行いました。その後、監視制御システム、電力システム、熱制御システム、環境制御システムといった「きぼう」の主要なシステムについて、運用方法や不具合発生時の対処法などを確認しました。加えて、エアロックやロボットアーム、実験支援システム、構造艤装系についても訓練を行いました。
「きぼう」に関する訓練を行う油井、サマンサ・クリストフォレッティ両宇宙飛行士(出典:JAXA/ESA)

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2014年1月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、1月上旬は米国のNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行い、中旬以降はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で訓練を行いました。
JSCでは、船外活動に関連する訓練を中心に行いました。訓練のひとつとして、船外活動ツールを操作する際に体を固定する方法を確認しました。この訓練で油井宇宙飛行士は、無重量空間での作業を模擬するためにクレーンによって体が吊り上げられた状態になりました。その状態で実際に船外活動ツールを使用してボルトを締める作業を行い、体が一緒に回転してしまわないように、船外活動ツールを持つ手とは反対の手でハンドレール(手すり)を握った状態で作業を行う方法を確かめました。また、ISSの実物大の訓練施設が沈められたプールに訓練用の宇宙服を着用して潜り、ISSの船外機器の交換作業を模擬した訓練も行いました。
GCTCでは、ソユーズ宇宙船のコマンダーであるオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士と一緒に、ソユーズ宇宙船の打上げ準備からISSへドッキングするまでの運用をシミュレーションした訓練や、ソコル宇宙服を着用した状態でソユーズ宇宙船のシミュレータに入り、ソユーズ宇宙船が飛行している間に火災や減圧といった緊急事態が発生したことを想定した対処訓練を行いました。油井宇宙飛行士は、手動操縦によるソユーズ宇宙船の飛行訓練も行いました。その他、ソユーズ宇宙船の専用シートライナーを作るために石膏で体の型取りを行いました。
油井宇宙飛行士は、ロシアモジュールの調理設備やトイレの使用方法などを含む環境制御・生命維持システムについての訓練も行いました。
現地時間の1月27日から29日にかけては、GCTCの屋外で冬期サバイバル訓練を実施しました。油井宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船で一緒に飛行するコノネンコ宇宙飛行士とNASAのチェル・リングリン宇宙飛行士とともに訓練に臨みました。
この訓練は、極寒の地にソユーズ宇宙船が不時着した事を想定して行われるもので、クルー全員で協力しながら厳しい環境下で野外生活を送り、サバイバル技術を実地で身につけることが目的です。ソユーズ宇宙船が予期しない場所に不時着した場合は、捜索に2、3日要する可能性があることから、訓練は2泊3日の行程で実施されました。
油井宇宙飛行士らは、ソユーズ宇宙船のパラシュートと木材を使ったシェルタの設営方法や、火のおこし方、救助隊への連絡方法、発煙筒の使い方などを実習しました。
パラシュートを回収する油井宇宙飛行士(左)ら(出典:JAXA/GCTC)

を終えたシェルタの前に立つ油井宇宙飛行士(左)ら(出典:JAXA/GCTC)

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油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2013年12月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISSの運用に関わる訓練を行いました。
無重量環境訓練施設(Neutral Buoyancy Laboratory: NBL)では、訓練用の宇宙服を着用して実物大のISSの訓練施設が沈められたプールに潜り、ISSの船外機器のメンテナンス作業を想定した船外活動訓練を行いました。
この他に油井宇宙飛行士は、ISSで緊急事態が発生したことを想定した訓練も行いました。油井宇宙飛行士は、空気漏れによる船内気圧の急減圧、ISS船内での火災発生といった事態や、熱制御システムの冷媒として使用しているアンモニアが船内に漏洩した場合の対処手順を確認しました。
また、ISS滞在中に医療担当クルー(Crew Medical Officer: CMO)が行う医学検査の手順や救急処置法についても訓練しました。CMOは、ISS滞在時に他のクルーの健康管理はもとより、他のクルーが病気や怪我をした場合に、地上の航空宇宙医師(Flight Surgeon: FS)の指示の元で救急処置を行う役目を担います。
これらの訓練の他に、ISSの電力システムやISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)についての訓練も行いました。
訓練用の宇宙服を着用する油井宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

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油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2013年11月30日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、10月に引き続き、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、ソユーズ宇宙船とISSのロシアモジュールに関わる訓練を行いました。
ソユーズ宇宙船については、飛行中にさまざまな不具合が発生した場合を想定した対処訓練や、手動操縦によるISSへのドッキング訓練、ソコル宇宙服を着た状態で手順書を参照しながらソユーズ宇宙船内の機器を操作する訓練などを、ソユーズ宇宙船の実物大のシミュレータを使用して

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行いました。
ロシアモジュールについては、コンピュータシステムやロシアモジュール内の装置を制御するシステム、ISSの姿勢や軌道を制御するシステムについて訓練を行いました。
ソユーズ宇宙船のシミュレータで訓練を行う油井宇宙飛行士(奥)とオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士(手前)(出典:JAXA/GCTC)

油井宇宙飛行士はISS長期滞在に向けた訓練を継続(2013年10月31日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、ソユーズ宇宙船とISSのロシアモジュールに関わる訓練を行いました。
ソユーズ宇宙船については、軌道モジュールと帰還モジュール内に備えられている装置や設備の位置や名称、機能、操作方法などを学びました。シミュレータを使用して、ソユーズ宇宙船で飛行する間の運用を想定したシミュレーションも実施しました。
ロシアモジュールについては、機器を扱う上で参照する手順書の読み方や、ISS滞在中に日々行う定常的な作業について訓練を行いました。ロシアモジュールのコンピュータシステムや、ロシアモジュール内の装置を制御するシステムについての訓練も行いました。その他、ISSのロシア区画内で安全に作業を行うための注意事項について講義を受けました。

油井宇宙飛行士はISS長期滞在に向けた訓練を継続(2013年9月15日)
jsc2013e074349.jpg国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、8月上旬はNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行い、8月後半はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で訓練を行いました。
訓練用の宇宙服をNBLのプール脇で着用する油井宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
JSCでは、船外活動を模擬した訓練や、船外活動で着用する船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)についての講義を受けました。船外活動を模擬した訓練は無重量環境訓練施設(Neutral Buoyancy Laboratory: NBL)で行われ、油井宇宙飛行士は、自身と同じく第44次/第45次長期滞在クルーに任命されているNASAのチェル・リングリン宇宙飛行士と一緒に、ISSの実物大の訓練施設が沈められているプールに訓練用の宇宙服を着て潜り、ISSの船外機器のメンテナンス作業に必要となる技術を学びました。船外活動に関連する訓練以外に、ISS船内での運用に関わる訓練を行い、実験機器やシステム機器が搭載されたラックを移動する方法や、ISSの各モジュールの結合部に備えられているハッチが故障した場合の対処法などを確認しました。
GCTCでは、ソユーズ宇宙船のドッキングシステムや姿勢制御システム、帰還時の降下を制御するシステムなどについて講義を受け、シミュレータを使用して実習しました。

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2013年9月15日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、6月に続き、7月上旬はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、ソユーズ宇宙船に関わる訓練を実施しました。
油井宇宙飛行士は、ソユーズ宇宙船のISSへのランデブ運用や、生命維持システム、ISSとの結合部の気密をチェックするシステムについて講義を受け、シミュレータを使用した実習を行いました。
7月中旬には一時日本に帰国しました。今回の帰国中の活動は、ISS長期滞在に向けて関係者との打ち合わせが主だったものでした。
7月下旬には米国へ移動し、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISSに関わる訓練を再開し、ISSを運用していく上で必要になるシステムや機器の知識に加え、ISSを取り巻く宇宙放射線の環境などについて学びました。T-38ジェット練習機での飛行訓練や語学訓練も継続して行いました。

油井宇宙飛行士、ロシアで長期滞在に向けた訓練を実施(2013年8月13日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、
ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、ISS長期滞在に向けた訓練を実施しました。
訓練は、ソユーズ宇宙船のISSへのランデブ・ドッキング運用と、ソコル宇宙服を含むソユーズ宇宙船の生命維持システムに重点を置いて実施し、講義を受けて知識を深め、シミュレータを使用した訓練を通してシステムを扱う技術を習熟しました。
6月18日から21日にかけては、モスクワ郊外のノギンスクにあるロシア非常事態省の施設で水上サバイバル訓練を実施しました。この訓練は、ソユーズ宇宙船が海などの水上に不時着したことを想定して行われるもので、救助隊が来るまでの間、生存するためのサバイバル技術を学びます。油井宇宙飛行士は、ロシアのオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士とNASAのチェル・リングリン宇宙飛行士と一緒に訓練に臨み、水上に浮かべられたソユーズ宇宙船のモックアップ(実物大の訓練施設)を使用して、帰還モジュール内での防寒・防水服の着用方法、サバイバル装備の準備、帰還モジュールからの脱出手順や脱出後の水上での編隊の組み方などを実習を通して学びました。訓練は、帰還モジュールの浸水や火災などの二次的な緊急事態の発生も想定して行われ、それぞれの状況に応じた対応手順も学びました。

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2013年7月6日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、ISS長期滞在に向けた訓練を継続しています。
5月上旬から中旬にかけて、油井宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)で、ISSの環境制御・生命維持システム(Environment Control and Life Support System: ECLSS)に関わる訓練を中心に、ISSの運用に関わる訓練を行いました。
ECLSSは、ISS船内の温度・湿度の管理のほか、空気の制御や水のリサイクルなどを担うシステムで、宇宙飛行士がISSで生活するためには欠かすことのできないシステムです。
油井宇宙飛行士は、講義を通してシステムについて習熟し、実際にISSで使用されている手順書に従ってECLSSの機器をメンテナンスをする方法などを実習しました。
ECLSS以外にも、ISSの監視制御システム、通信・追跡システム、温度制御システムに関わる訓練を行いました。英語とロシア語の語学訓練も継続して実施しました。

油井宇宙飛行士のISS長期滞在に向けた訓練(2013年4月10日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、ISS長期滞在に向けた訓練を継続しています。
油井宇宙飛行士は、3月末に米国からロシアに移動し、4月はガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、ソユーズ宇宙船の姿勢制御や軌道制御に関連するシステムについて訓練を行いました。
講義やシミュレータを使用した訓練を通して、ソユーズ宇宙船の姿勢変更時や軌道変更時に、刻々と状況が遷り変っていく中でクルーが実行するシステムの操作に関する知識・技術を深めました。

油井宇宙飛行士、GCTCとJSCでISS長期滞在に向けた訓練を実施(2013年3月10日)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、ISS長期滞在に向けた訓練を継続しています。
3月上旬は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、2月に引き続きソユーズ宇宙船に関する訓練を行いました。
GCTCでの訓練を終えた油井宇宙飛行士は、米国に戻り、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISSの運用に関わる訓練を再開しました。油井宇宙飛行士は、ISSで使用され始めたタブレット端末に関する訓練や、ISSに物質を運ぶ補給船に関する講義、ISSに備えられている工具やISS内のネットワークの使用方法に関する訓練、ISSでの物品管理の方法に関する訓練、船外活動の準備を支援するための訓練など、ISSに滞在する上で必要になる知識・技術を身につけるためにさまざまな訓練を行いました。
語学訓練としてロシア語の訓練も継続したほか、T-38ジェット練習機での飛行訓練や、船外活動の訓練を行う上で必要になるスキューバダイビングの技量試験なども受けました。

油井宇宙飛行士、ロシアでの訓練を開始(2013年2月15日)
130211_shl_0210_l.jpg写真:GCTCでの訓練開始にあたり、ロシアの関係者を前に挨拶を述べる場に臨む油井宇宙飛行士
GCTCでの訓練開始にあたり、ロシアの関係者を前に挨拶を述べる場に臨む油井宇宙飛行士(出典:JAXA/GCTC)
国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(Gagarin Cosmonaut Training Center: GCTC)で、ソユーズ宇宙船に関わる訓練を実施しました。
訓練では、ソユーズ宇宙船の様々な飛行場面での作業手順が記された飛行手順書や、ソユーズ宇宙船内の各機器の配置・名称・機能・操作方法などを確認しました。また、ソユーズ宇宙船全体のシステムや、ソユーズ宇宙船をコントロールする制御パネルの機能と操作方法についての講義を受けました。シミュレータを使用した訓練では、講義で学んだ内容を、実際に手を動かしながら確認しました。
今回の訓練は、油井宇宙飛行士にとって、GCTCで行う初めての訓練であり、第42次/第43次長期滞在のバックアップクルー(交代要員)の位置づけで実施したものです。今後も、バックアップクルーとして、そして自身の長期滞在に向けて、ロシアを訪れてソユーズ宇宙船やISSのロシアセグメントに関わる訓練を重ねます。

油井宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施(2013年1月14日)
jsc2013e006946_l.jpg写真:ISSのモックアップ(実物大の訓練施設)内で、工具を使用してパネルを外す油井宇宙飛行士
ISSのモックアップ(実物大の訓練施設)内で、工具を使用してパネルを外す油井宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
油井宇宙飛行士は、国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在に向けた訓練を、2012年12月からNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で開始しています。
1月は、ISSで活動する上で一般的に必要となる知識を得るための訓練を中心に行い、ISSにおける物品の在庫管理・保管に関する概念や、全ての物品の所在を管理する在庫管理システム(Inventory Management System: IMS)の使い方、ISSのシステム機器や実験装置が収められているラックの設置方法、モジュール間のハッチの開閉方法、機器のメンテナンスに備えてISSに多数搭載されている工具の使い方などについて確認しました。
加えて、米国が実施する船外活動の出入り口となる「クエスト」(エアロック)の機能を有した地上設備であるSSATA(Space Station Airlock Test Article)と呼ばれる真空チャンバを利用して、船外活動を担当するクルーの準備作業を支援する手順を確認しました。また、ISS船内でアンモニア漏れによる空気汚染が発生した際に装着するマスクのフィットチェックなども行いました。
1月下旬には、2月から始まるロシアでの訓練に備えて、ソユーズ宇宙船の概要や飛行時に参照する手順書の読み方などについて確認しました。

油井宇宙飛行士のISS長期滞在が決定(2012年10月8日)
121005_yui_pressconference.jpg写真:記者会見を行う油井宇宙飛行士
記者会見を行う油井宇宙飛行士(出典:JAXA)
10月5日、油井宇宙飛行士が国際宇宙ステーション(ISS)に第44次/第45次長期滞在クルーとして滞在することが決定しました。
滞在時期は、2015年6月頃から約6ヶ月間の予定で、打上げ、帰還ともにロシアのソユーズ宇宙船に搭乗する予定です。
ISS長期滞在決定後、油井宇宙飛行士が現在滞在中の米国ヒューストンのJAXA駐在員事務所とJAXA東京事務所を繋ぎ、油井宇宙飛行士は記者会見を行いました。
会見の冒頭で油井宇宙飛行士は、ミッションにアサインされた今の心境や今後に向けた抱負、これまで支えてきてくれた人々への感謝を述べました。
油井宇宙飛行士は、報道関係者からの質問に答える中で、自身が宇宙飛行士候補者に選ばれた当時の会見で目標を語る中で発した"中年の星"という言葉を引用し、「まだ6等星レベルであり、これから頑張って立派にミッションをやり遂げて、将来的には1等星として、空に燦然と輝けるような"中年の星"になりたい」と、ミッションへの意気込みを語りました。また、候補者として選ばれてから現在に至るまでを、「最初は、宇宙飛行士になることが非常に遠い目標に思えたが、ひとつひとつ積み重ねたら宇宙飛行士になることができた」と振り返り、「先輩方と同様に仕事ができるようになることは、非常に遠い目標に思えるが、自分がやるべきことをひとつひとつやっていけば、少しずつ先輩方に近づいて行けるのではないか。そのように思っている」と、長期滞在に向けた自らの心構えを語りました。

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