平成23年3月20日、第12期生(期生会長:野中光男)のホームカミングデー(以下、「HCD」という。)が、五百籏頭学校長のお招きにより母校防衛大学校において行われました。
折しも、約1週間前の3月11日に発生した東日本大震災は、東北及び関東地方に甚大な被害をもたらしました。
このような中、防衛大学校は、卒業式は実施するものの規模を大幅に縮小し、式典及び昼食会のみ実施することとしました。 第12期HCD実行委員会は、昨年来HCDの実施要領を詰めに詰めてきたところですが、このような状況に直面し、前日予定されていた懇親会を取り止めるなどHCDの実施要領を大きく変更して行うことを決心致しました。
そのため、当初はご家族を含め300名を超す参加者を予定していましたが、当日はご家族を含め陸67名、海29名、空18名、合計114名とやや寂しい参加者数となりました。
しかしながら、当日は、準備のため7時頃から正門前に集合した方も多く、受付も早々に済ませ永年の旧交を温めあっていました。
写真1 早朝から開門を待つ

写真2 実行委員からの説明受け

本科第55期生の卒業式は、粛々と進められました。
今年は、地震災害の影響から卒業式自体への出席者も少なく、例年は半数程度しか入場できなかった式場への入場が、全員出来ることになりました。(注:例年入場できない参加者については、AVホールのスクリーンにより視聴)
写真3 卒業式を待つ参加者

まず、五百籏頭学校長の式辞には、冒頭に「昭和43年に本校を卒業し、長い現役勤務を終えた12期生のホームカミングデーが行われている」との紹介があった後、「卒業生にとって今日は、祝いの日であると共に厳しい任務に挑む日である」とし、旅立ちの卒業生に対して優しくも厳しい父性愛に溢れた餞の言葉がありました。
当初、臨席が危ぶまれた菅内閣総理大臣並びに北澤防衛大臣も揃ってご臨席されることになりました。これは、災害派遣において危険と隣り合わせで活動する10余万人の自衛官に対する敬意の表れだとも思われます。総理は、訓示の中でも「自衛隊は、過去にない未曾有の災害に全力で取り組んでおり、その自衛官を誇りとし、それを支えるご家族に敬意を表する」としたあと、卒業生に対しては「国民と共にある自衛隊として『国を守る』役目を果たして欲しい」との期待を示し、更には「政府は、自衛隊がしっかり行動できる態勢をとる」との言葉で表わしました。
北澤防衛大臣からは、「自衛官は、強い力と同時に暖かい心が求められる。高い見識と強い規律心をもって、人徳を高めて欲しい」との訓示がありました。
最後に、来賓代表として挨拶した森本敏第9期生は、卒業生に最も訴えたいこととして、「最も大事なことは、国のために我が身を奉ずることにある。その究極は、如何なる任務にも勝利し任務を完遂する資質を養うことである」と述べた上で、「国家に奉ずる者を軽んじる国家が栄えた例はない」と結びました。
卒業式は、その後卒業生答辞、学位記授与式、陸海空自衛隊幹部候補生への任命などとすすみ、滞りなく終了しました。
今年は、恒例の「帽子投げ」も自粛した卒業式でしたが、卒業生は等しくこの状況下で行われた卒業式を厳粛に受け止め、かつ自分が卒業後直面するであろう厳しい現実に思いを致したと思います。
写真4 菅総理大臣の訓示

12期生とそのご家族は、卒業式の終始を直に観て、43年前の自分の姿を目の前の学生に重ね合わせると共に、例年とは趣が異なるある種の緊迫感をもった卒業式を感慨深く思ったことでしょう。
その後行われた記念撮影は、例年とは異なり卒業式の会場で行われました。当初は、全体写真、続いて陸海空別に撮影されましたが、卒業生と同じ壇上に立ち、在りし日の自分に思いを馳せていた方も多かったのではないでしょうか。
写真5 12期HCDの陸海空集合記念写真

その後は、12期HCDの大きな目的である期生会主催の顕彰碑等献花式が行われました。
春の穏やかな日差しの中で、12期生殉職者5名を含む91柱の御霊、12期生の物故者27名、併せて今般の大震災の犠牲者のご冥福をお祈りして黙祷が行われた後、代表者による献花、そして野中期生会会長から、「今まさに東日本大震災の現場で国家・国民の負託にこたえるべく身の危険を顧みることなく献身的に活動している現役の皆さんを、我が国の平和と安寧を心から願う第12期生として、あるいは一国民としてご支援をすることをお約束する」との慰霊の言葉がありました。
写真6 全員の黙祷

写真7 野中期生会長による慰霊の言葉

今回は、前日予定されていた総会が出来なかったため、連絡事項としてAVホールにおいて活動報告、会計報告、次期期生会長の承認等がなされました。
写真8 活動報告

最後に、希望者に対して資料館見学が行われました。特に平成20年に開設された槇智雄記念室においては防衛学准教授横山19期生の説明の後、展示物を興味深そうに見学する姿や、展示資料においては、今は存在しない5大隊の隊札などを懐かしく見学する姿が見られました。
写真9 槇記念室の研修

今年度の12期HCDは、実行委員会の大変精緻で細部まで計画された活動により運営されてきましたが、東日本大震災という未曾有の災害に遭遇し、行事の大半が取り止めのやむなきに至ったことは大変残念に思います。実行委員の皆様のご労苦に対して心からの慰労と感謝を申し上げます。
また、例年のことながら、本HCDを密接かつ親身にご支援頂いた、防衛学群長・尾上空将補はじめ職員の皆様に心から感謝申し上げます。
来年度のホームカミングデーは、被災地の復興がなされ日本が蘇りつつある中、13期生の方々の力によって是非成功を収められることを祈念します。
(防大同窓会HCD担当 記) |
|